ディープラーニング用マシンのPCパーツの選定 (Linux自作PC 3)

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ディープラーニング用の自作マシンのPCパーツを価格抑えめに選定したいと思います。



前回GPUの選定をした記事からの続きです。

必要なパーツ

PCを作るにあたって必要なものが以下になります。

  • CPU
  • 電源
  • マザーボード
  • メモリ
  • ケース
  • ストレージ
  • ディスプレイ

順番に選定してきたいと思います。

チップセットの決定

CPU、マザーボード、メモリは対応チップセットが決まらないと先手出来ません。 そのため、どのチップセットを購入するか選定します。

Intelで現在入手しやすいチップセットは第7世代KabyLakeに対応するZ270、H270、B250の3種類と、第8世代CoffeeLake-Sに対応するZ370の1種類となります。 ZシリーズはGPU複数挿しやOC向け、HシリーズはGPU1枚でOCなし、Bシリーズはビジネス用途というのが主な分け方でしょうか。 現状GPUは1070の1枚だけで行くつもりなのでHシリーズで問題ないでしょう。

また、第8世代のZ370はリリースが最近であるため、廉価版となるH370などの発売がまだであり、価格も高めとなっています。 さらに導入する予定のLinuxOSでは、未だLinuxカーネルの対応が行えていない模様です。

これらの理由から、第7世代のH270シリーズを選ぶのが無難そうです。

CPUの決定

第7世代KabyLakeのCPUをリストアップしてみました。

このうち、G4560はAVX2に対応していないようなので、numpyとかでベクトル演算使うのであればi3以上が無難でしょう。 今回はGPU性能優先のディープラーニングということで、価格を抑えてi3-7100で行きたいと思います。

マザーボードの決定

H270シリーズからの購入となりますが、当初は価格を抑えるためにMicro ATXで購入を考えていました。 以下がMicro-ATXで見繕ったものです。

  • ASUS Prime H270M PLUS
    • 10781円(Amazon)
  • Asrock H270M Pro4
    • 10082円(Amazon)

ただ、改めてATXのマザーボードを見てみると、実のところMicro-ATXよりはるかにラインナップがあるため価格帯も広く、実際はMicro-ATXと同スペック帯でも価格差があまりありませんでした。 以下に調査したマザーボードをリストアップします。

  • ASUS Prime H270M PLUS
    • 10781円(Amazon)
  • ASUS Prime H270 Pro
    • 13450円(Amazon)
  • ASUS Prime Z270-K
    • 15129円(Amazon)
  • MSI H270-A Pro
    • 9560円(ヨドバシ)
  • MSI H270 PC Mate
    • 10480円(Amazon)

このうち、MSI H270 PC Mateは公式でマイニング向けを謳っていたこともあり、長期安定稼働に向きそうと踏みました。 価格も手ごろだったので、マザーボードはMSI H270 PC Mateに決定しました。

なお、ここで注意点が一つ。 高性能マザーボードなどに使用されているイーサネットアダプタのIntel I219-Vですが(PC Mateも搭載しています)、 Linuxカーネルのバージョンによってはドライバが取り込まれていないようです。 特にUbuntu16.04(LTS)を利用する場合には、下記のリンク先のようにドライバのDLとインストールが必要になりますので、ネットワーク環境が別に必要な模様です。

メモリの決定

H270 KabyLakeだとDDR4-2400/2133に対応しています。 現在、メモリ価格は世界的な需要により高騰中で、以前WindowsPCを組んだ時の倍近くになっています。 高いとはいえ、なければどうしようもないのであるものから選びましょう。

8GBx2か、4GBx2のどちらかを選択することになるのでしょうが、 ディープラーニングでメモリをどれだけ使うのか正直読めません。 ここは無難に多めに見積もって8GBx2の16GBで行くことにします。

  • crucial CT2K8G4DFS824A DDR4-2400 8GBx2
    • 18338円(Tsukumo)
    • 永久保証, micron社
  • CFD Crucial W4U2400CM-8G DDR4-2400 8GBx2
    • 18285円(Amazon)
    • 永久保証, micron社

ここは定番のCrucialを選択します。 上記2つとも中身は同じみたいです。

電源の決定

Geforce GTX 1070の要求電源は500W以上となっています。 電源については650Wの80Plus Bronze電源が余っていたので流用出来そうです。

  • Corsair CMPSU650HXJP (2011年購入)
    • 80Plus Bronze
    • 7年保証
    • 650W、ATX電源
    • W150 D150 H86 mm

改めて購入するのであれば、無難にCorsairかSeasonicあたりから80Plus取得の電源を購入すればよいでしょう。 1070以上のGPUを考慮すると12VのA数にも注意。 無難に行くならCorsair RM650xや、Seasonic SSR-650RMS、SS-650KM3Sあたりでしょうか。

ストレージの決定

長期間稼働ということ、ディープラーニングで大量のデータを必要とすることを前提に考えます。 長期間稼働ならSSDがよいのでしょうが、ディープラーニングで大容量データを使うならSSDも必然的に大容量となり高くつきかねません。 ここはHDDでNAS向きで長期間稼働に向いたWesternDigitalのRedシリーズを選択することにします。 容量は2TBあれば十分でしょう。

  • WD Red WD20EFRX 5400rpm 2TB 64MBCache
    • 9850円 (Amazon)
    • 3年保証

ケースの決定

GPU搭載かつ長期間稼働ということで、静音・冷却性を踏まえたケースがよいと考えました。 また、矛盾するようですが場所をあまりとらない方がいいとも考え、Micro-ATXも考慮してみました。 ケースは現在定番のFractal Design Define R5を使っていて満足しているので、FractalDesign系からいくつかリストアップしてみました。

  • Fractal Design Core 1100
    • Micro ATX, Mini ITX
    • ATX電源(185mmまで)
    • 3.8kg
    • W175 H358 D410(mm)
    • GPU170mmまで、3.5ケージ外して350mmまで
    • 5163円(Amazon)
  • Fractal Desing Define Mini C
    • Micro ATX, Mini ITX
    • ATX電源(175mmまで)
    • 6.9kg
    • W210 H399 D399(mm)
    • GPU315mmまで
    • 9491円 (Amazon)
  • Fractal Desing Define C
    • ATX, Micro ATX, Mini ITX
    • ATX電源(175mmまで)
    • 7.4kg
    • W210 H4409 D399(mm)
    • GPU315mmまで
    • 9374円 (Amazon)

やはりCore1100のようなMicro-ATX系だとGPUの設置に関して問題がありそうです。 Define Mini CはMicro-ATXケースにしては長いGPUも大丈夫そうですが、Define Cとの違いが高さしかなく、値段はDefine Cの方が安かったりします。

設置面積が変わらないのであれば、今後の流用も考えてATXケースのDefine Cにしたほうがよさそうです。 サイドパネルがアクリルウィンドウのものもあり値段も大差ありませんが、今回は全面金属パネルのものを選びました。

まとめ

以上、各パーツを選定しましたが、まとめると次のようになりました。

  • CPU: i3 7100: 2C/[email protected], TDP51W
    • 第7世代、KabyLake
    • 13160円(ソフマップ)
  • MB: MSI H270 PC Mate
    • ATX
    • 10480円(Amazon)
  • Mem: CFD Crucial W4U2400CM-8G DDR4-2400 8GBx2
    • 18285円(Amazon)
  • Case: Fractal Design Define C
    • ATX用
    • 9374円(Tsukumo)
  • HDD: WD Red WD20EFRX 5400rpm 2TB 64MBCache
    • 9850円 (Amazon)
  • 電源: Corsair CMPSU650HXJP
    • 2011年購入のものを流用