現在遊びレベルでGeforce1070の1枚でMonacoin採掘を空いた時間にやらせています。

もしも、マイニングで本気で利益を上げようとするなら、設備投資と設定の煩雑な個人マイニングよりは、クラウドマイニングの方が大規模に行えるのではないかと軽い考えに至りました。

本記事ではクラウドマイニングの収益がどれくらい手に入るのか計算してみることにしました。

クラウドマイニング

あちこちで投資してみたというブログが存在するので詳細はそちらを参照してもらうとして、簡潔に述べます。

要は私たちユーザーはクラウドマイニングのサービス提供者に対して、お金を支払うことで一定期間そのサービス提供者のマイニング資源を借り受けてマイニングが行えるというものです。 機材の管理はサービス提供者に任せるので、自分でマイニングするのに比べて故障リスクや、設備の処分に困らないメリットがあります。

ただ、サービス提供者の資金持ち逃げ、ハッキング、マインニング通貨の暴落などといったリスクも存在します。

採算性の計算

Bitcoinをはじめとする仮想通貨のマイニングでは、Hashrate(ハッシュレート)とDifficulty(難易度)が採掘速度に影響を与えます。そして、ハッシュレートは仮想通貨の過熱による設備投資で増大しており、難易度も徐々に増加しています。

そのため、一定のハッシュレートで設備を動かしても、初めの1か月で手に入る採掘量と比べ、次の1か月で手に入る量は基本的に減少します。設備の維持費なども考えると、一度投資をしたら永久に黒字という訳にはいきません。

基本的にクラウドマイニングのサービス業者は、一定量のハッシュレートの割り当てを一定期間にわたって提供するため、期間が経過すると難易度の上昇に伴って得られる採掘量も少なくなると考えられます。

さて、それでは採掘の難易度がどう遷移してきたのか調べてみましょう。

計算対象

本記事では、計算の都合から計算対象はBTCに限定します。 というのも、仮想通貨は多く存在するものの、クラウドマイニングのサービス側がマイニング対象として提供しているのはBTCやETH、ZECなどの主要通貨に限られており、BTC専業の業者も多いためです。

難易度の遷移

Bitcoinに関しては難易度の遷移の統計を取っているサイトが複数存在しています。

csvでデータのDLが可能なので、スプレッドシートを使って平均数値を出してみます。

調整平均日数(全期間) 13.17272727
調整平均日数(2017) 13.17857143
平均上昇率(全期間) 6.79%
平均上昇率(2017) 6.88%
平均上昇率(2017/6~) 7.47%
平均上昇率(2017/9~) 8.48%

上記を見ると、難易度が調整される日数は全期間も2017年も両方とも13日程度で、難易度の平均上昇率は2017年でも後半になるにつれ上昇傾向にあるということです。

ただ、BitCoinのマイニングの過熱の結果、採算性が取れなくなって別の通貨に採掘対象を移すこともあり得るため、このまま上昇するかは結局のところよくわかりません。

1日当たりのBTC採掘量

さて、具体的な採掘量に話を移しましょう。 多くのクラウドマイニングのサービスは10GH/s程度からサービスを提供していますが、採算性も考えるとせめて1TH/sは欲しいでしょう。 今回は1TH/sを対象とすることにします。

CryptoCompareによると、1TH/sでの1日のBTC採掘量は0.0001302BTCとのことです。これをもとに計算していきましょう。

採掘難易度上昇を考慮した採掘量の計算

一定のハッシュレート(1TH/s)で採掘を続ける場合、難易度上昇に伴って採掘量が減少します。 また、難易度上昇は段階的に行われるため、なめらかには変化しません。 今回は次の式で計算を行います。

  • 1日目の採掘量: 0.0001302BTC
  • n日目の採掘量: (初期採掘量/日) * ( 100/ (100 + 難易度上昇率) )^(n // 難易度調整日数)
    • なお、//による演算は小数点以下を切り捨てるものとします

これで難易度上昇率と難易度調整日数を考慮して一定期間経過後の採掘量が計算できます。

収益計算

上記のデータをもとに次の仮定で計算を行います。

  • BTCの難易度上昇率: 8.5%
  • BTCの難易度調整平均日数: 13日
  • ハッシュレート: 1TH/s
  • 1日目の採掘量: 0.0001302BTC
  • BTC/USD: $17280

BTC価格は当然変動するでしょうし、難易度上昇率も8.5%を維持するとも限りません。 とは言え、計算できる形に落とし込むため上記のような制限を設けました。

さて、クラウドマイニングのサービス提供者ですが、有名どころではGenesis Mining, Hashflare, MinerGateなどが存在します。

資金持ち逃げリスクを考慮すると比較的長く続いている業者を選びたいところです。 一番有名だろうGenesisMiningは現在新規受付をほぼ行っていないため、今回はHashflareとMinerGateで計算してみます。

Hashflare

コストは10GH/sで年間$2.20の1年契約。他にメンテナンス費が$0.0035だけ10GH/sあたり毎日請求されます。これを1TH/s借りるものとして計算してみましょう。 次の画像が1日ごとの採掘量データの抜粋になります。

まずは送金手数料を抜きにしてみると、 1TH/sを$220で借りたとして、メンテナンス手数料を引いて365日で$205.769回収できる見通しです。

そして299日目、1日当たりのBTC採掘量がメンテナンス費代の価格を下回る模様で、これから先はマイニングをするだけ損という悲しい事態になっています。

このプランが得するシナリオとしては、BTCの対USD価格の上昇、難易度上昇率の低下などでしょうか。 BTC価格上昇のシナリオだと、そもそもクラウドマイニング代のBTCをホールドしておけばそれだけで得をするので、 期待するくらいなら最初からBTCをホールドしておくほうがいい気もします。

MinerGate

1TH/sを0.00843000BTC($145.6672)でLifeTime契約の模様ですが、 数日間の採掘量がメンテナンス費を下回った場合、契約打ち切りとなると思われます。 Helpなどを見てもいまいち該当箇所が分かりませんでしたので、自分で契約する際はよく調べたうえで契約してください。 ちなみにメンテナンス費は1TH/sなら$0.33/Dayとなっていました。

次の画像が1日ごとの採掘データの抜粋になります。

計算では、311日目で採掘BTC量がメンテナンス費を下回ります。 そこまでに$215.759分のBTCが採掘できる見込みですので、計算上は黒字になります。

ただ、問題が2つあります。 1つは自動送金の最低支払額と送金手数料です。 最後の方はメンテナンス費でかなりの額が打ち消されるので、BTCは微小にしか累積しません。 その状態から送金手数料がとられることも考えると、採掘BTCの結構な割合が手数料に持って行かれそうに思えます。

2つ目の問題は契約打ち切りの条件です。メンテナンス費が採掘量を上回った場合と今回は仮定しましたが、一定日数の黒字採掘量が最低支払額に満たない場合、という条件であればさらに条件は厳しくなります。これらに関する記載が見当たらないため疑ってしまいます。

この辺りを考えると、ペイさせるためには1TH/sでは心もとなく、10TH/s、あるいはもっと多く借りないと送金手数料や最低支払額の影響が大きそうに思えます。

結論

クラウドマイニングは難易度上昇率を考慮すると黒字化はかなり厳しいように思えます。 計算上は赤字であったり、黒字であっても送金手数料や打ち切り条件など不透明な点も多く、いまいち投資に踏み切れないというのが個人的な印象です。

黒字化するためのシナリオ条件が、採掘難易度の上昇率、仮想通貨の為替(対アルトコイン、対USDの双方)、クラウドマイニングサービスの安定性など複数の要因を考慮する必要が生まれるため、一般の仮想通貨売買以上に条件が複雑になってしまっています。

これらの条件を単純化するのであれば、いっそのこと仮想通貨そのものの取引を行っていた方が単純かつ黒字化する可能性も高いのではないでしょうか。とはいえ、この取引でもリスクは結構あると思いますけど。

まとめ

以下が本記事のまとめとなります。

  • クラウドマイニングの採算性を計算してみた
  • 難易度上昇率、調整日数も考慮すると黒字化はかなり厳しそう
  • そもそも考案すべき条件が多く、黒字化シナリオを立てるのが難しい

なお、本計算結果は次のcsvファイルにまとめましたので、全体を見たい方はどうぞ。

  • HashFlare: csv
  • MinerGate: csv